訪問時には必ずエプロンを持参する

嫁姑問題画像夫の実家を訪問するとき、私のバッグの中には必ずエプロンが入っています。もちろん、食事の用意や後片付けを手伝うためです。同じようにエプロンを持参する、という人は案外多いのではないでしょうか。姑の手料理をご馳走になることがわかっているのなら、なおさらでしょう。

いまでこそ実家到着と同時に姑の料理を手伝いますが、結婚後しばらくは台所に入ることも出来ないでお客さんのように座ったままでした。

「手伝います」と志願するのですが、姑は「服を汚すといけないから」と後片付けすら手伝わせてくれませんでした。姑に悪意はなく、言葉どおり私の服が汚れることを心配し、ゆっくりしてくれればいいから、と本心から思っていたようです。

焦ったあげくの思いつき

ですが、いつまでもそれでは、いかにも気の利かない嫁と思われそうです。姑は相変わらず「汚れるから」の一点張りで、正直に言って私は焦りはじめていました。そこで、エプロンを持って行くことを思いついたのです。私にエプロンをつけられては、さすがの姑も断りようがなかったのだと思います。徐々に私にも手伝わせてくれるようになりました。

実際に手伝うようになってつくづく感じたのは、一家の食卓を守ってきた主婦にとって台所は聖域なのだ、ということです。言葉は悪いですが、息子の嫁とはいえ、ついこのあいだまで他人だった女にズカズカと入ってきてもらいたくはないはずです。しかも、ろくに料理経験もないようではかえって足手まといです。

野菜の切り方ひとつ、味噌汁の作り方ひとつにしてもその家々でやり方は違うし、必要な食器のある場所も当然わかりません。姑にしてみたら、いちいち指示をして気づかう分だけ、反対に余計な手間が増えることになるのです。その手間を承知で受け入れてくれた姑に、とても感謝しました。

お互いに遠慮が取り払われ

最初は出来上がった料理を台所から食卓まで運ぶだけでした。そのうち、一人で食器棚から必要なお皿が出せるようになり、料理の盛り付けを手伝うようになり、やっと食後のコーヒーや3時のお茶の用意ぐらいは任せてもらえるようになりました。お互いに遠慮が取り払われつつあることを実感できるようになりました。

夫は、姑と私が台所で立ち働く姿を見ると嬉しいと言います。姑は息子の好きなレシピや煮物のコツなどを教えてくれますし、私も姑と二人きりになる台所だからこそ気軽に話せる内容があることを知りました。受け入れてもらうには時間も努力も必要ですが、台所は家のなかのどこよりも嫁と姑にとって新密度を高めていける場所だという気がします。

そして、エプロンは単に「いい嫁」を演出するための小道具ではありません。自分も家族の一員だという意思表示であり、そのために努力していく気持ちがあることを姑に伝える重要な役割を担っていたのだと思います。手伝う気持ちがあるのなら、まずは毎回エプロンを持参してみる、そうゆう方法もあると思います。徐々に、徐々にが大切です。